ブラック企業という言葉をよく耳にする毎日。
演奏家になろうと思っているそこの貴方。
超ブラック企業にようこそ。
そんな冗談はさておいて
ブラックという表現をするには中々抵抗もありますが、事実大変な側面は沢山あるでしょう。
しかし、自分で決めた道ならばと体に鞭打って心辛くとも演奏している方がほとんどです。
2歳から始めたピアノを何十年と練習し、僅か10分程の楽曲を演奏をするのにかかっている時間は30年と10分です。
その価格たるや数千円や無料である
この国において文化形成の計画性のなさが、需要と供給のバランスを悪くしているように思う。
しかしながらオリンピックの影響もあり近年、芸術文化における国の予算は増えている。
恐らく私が思うに、芸術家を育てるのではなく聴衆を育て対価を支払う習慣をつける事に予算をかける必要があるだろう。
そんな日本の環境の中でも、演奏をして音楽という営みをする人間がより多く育って欲しいと思う。
音楽家とは生き方だと前にもお話したが生活と仕事の境をつけるのはとても難しいだろう。
より多くの聴衆の前で演奏が出来たらそれは刺激的で経済的にも潤い、楽しいかとも思うが、それは音楽とはまた別の物事である。
音楽家としての生き方とは追求し続ける事にあるのだろう。
家という文字の付く職種や道といった語の付く事柄には果てない向上心が存在している。
そこには特有の美感があり、その時代背景を映し人の世がどうなっているのかを感じる事が出来るだろう。
「このまま音楽をやっていて何になるのだろうとよく思う瞬間があるんです」と、演奏を仕事にしている人からそう耳にする事が多い。
人によって音楽の優先順位や、その重みは違うだろうが音楽を追求する心さえあればそれは人に必ず伝わり紡がれるモノとなる。
この先、一人の人間が多くの何かを成し遂げる時代は過ぎてゆき、今あるものをどれほど大事に出来るのかを知る事に意味があるのではないだろうか。
一音にどれほどの意味を持っているかを知っている音楽家はこれからの時代にとても大事な存在になるのだと私は思う。
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